DEERC DE25をレビューする

可変式のGPS搭載ドローンとしてAmazonカテゴリーに鎮座するこいつです。
昨今のAmazonは闇鍋じみていてなんとも

価格も17,000円前後と紛失があり得るおもちゃとしての上限に近く、気になってる方も多いのでは。

既にAmazonレビュー欄で一般的な使い勝手は読み取れるので、個人的に気になった点に絞ってレビュー&紹介します。

・DEERC Toysとは

中国は福建省に所在地を置く「Zhangzhou Leming Trading CO,.LTD.」の”ドローン販売ブランド"です。社名ではありません。
社名を日本語訳すると「漳州(しょうしゅう)レミング貿易有限会社」となり、福建省南部に位置する貿易会社となるようです。
レミングってなんだ……)

LIST COMPANY.netの登録情報によると社員200名以下の中小企業なようです。
日本でのドローン販売においては、どういう訳かHoly Stoneと協業しているようで、バッテリーなどの周辺機器はHoly Stoneのパッケージで届けられます。
日本語でのメールサポートやHoly Stone名でYouTubeにPVのアップロード(日本語)も行っており、それなりに精力的に活動しているようです。
恐らくですが公式HPはこちら
が、何故か製品ページにDE25の記載がない。
製造元は別にあり、日本への販売を独占契約しているということか。

注意事項として。
日本と中国では企業活動について大きく隔たりがあります。
こちらのページに記載している企業情報が事実かどうかは分かりかねます。ご了承ください。

・GPS精度について

完全にリアルタイムな位置情報とは言えません。体感的に1秒弱の遅延が感じられます。
ホバリングしている状態の精度は良好ですが、RTHを行った際にホームポイントを行き過ぎます。マップ内に経由地点を指定するウェイポイント飛行においてはそこそこ追従しているので”人間による事前情報の無い操作”には弱く、”RTHの際にホームポイントを数m通り過ぎてから戻る仕様”であることを念頭にすると良いです。
(高速飛行中の1秒は距離的には数m)

また、設定できる経由地点は数に上限があり、範囲にも上限があります。
飛行中の位置からおおよそ100m周辺が上限です。
その為、DJIドローンにおける「肉眼では見えない距離を撮影しながらルート飛行する」というのは難しいと考えたほうがいいです。

・カメラ性能について

悪い。Telloに劣る。
某砂浜にて

宣伝にあるように広角かつ1080pで記録されます。が、センサーに対して広角にすぎるのか端々の歪みが大きく、全体的にピントが甘い仕様。
色味については彩度が低く調整も効かない。そのため真夏の昼間ほどの明るさでないと写真や映像を見て「綺麗だな」と思うように撮影することは難しいです。
つまりおもちゃとしては良いところ、となるのかも。
かなりの日差しがあってようやくこれ

実際に飛ばすと飛行中にカメラ角度の調整が行えるのは上位機種の練習としては十分です。
なお、個体差なのか分かりませんが私の個体はカメラが真正面に向きません。
うーんこの

・可変機構について

大変便利。このために買っていい。
収納しやすく、ワンバッテリーで15分飛行出来るのが生きている。
仕事帰りの暇つぶしや包括申請のための飛行時間稼ぎとしても有用。
これが”飛行時間10分”の場合、安全を考えると5分少々で着陸を考える必要があり、サブバッテリーを持ち歩きたい欲も出てきます。
一方で”飛行時間15分”であれば、余裕をもって10分間の飛行が行えてサブバッテリーがあればその2倍、20分になるのは大きいです。
この機構のため、2019/9/18現在においてGPS受信機を搭載する中では飛ばす機会を得やすい仕様となっているかと。

・モーターについて

先日の分解整備記事に書いたように、本機はブラシモーターからギアを介してプロペラを回転させる仕様です。このギアが故障を誘発する部品となりえます。
Telloなどの更に小型なドローンにおいてはモーターとプロペラが直結であるため、プロペラが回らないときは大抵モーターを交換すれば解消されます。
一方ギア式は大きなプロペラを回せるものの、いざ回転しなくなったときにモーターとギアのどちらに不良があるのか一発判別が出来ない場合があります。
単純に部品点数も多くなるのでシャフトの軸ズレやギア噛のキツさ緩さも気にする必要があり、ユーザーとしての利点は多くありません。
そういった仕様であることを理解しましょう。

・映像の伝送距離

公称にあるように見通しのいい場所で200m程度。
限界まで離れると当然映像はスムーズとは言えません。機体の上下左右の方向が途切れ途切れに分かる程度です。
本体のmicroSD保存であればコマ落ち映像を記録することもないのでそちらをメインにしたほうが良いです。(なお、差し込むと勝手に端末と両方に保存される模様)
また、映像が途切れても機体の操作はそれ以上行えます。が、見通しにおいても300mとなると肉眼での確認は難しいです。余裕を持った飛行を心がけましょう。

・Follow Me機能について

アプリから"オブジェクトを指定して追うモード”と”操縦者を追いかけるモード”の2つが実装されています。
前者は”旋回のみ”対応します。後者は”旋回はせずにコントローラー(ないしタブレット)から距離を保ち”追いかけます。
面白い機能ですがあまり多くは期待されないように。

・”買い”か

Amazonでの購入を前提ですが、値段分の価値はあると感じます。
おもちゃとしては十分な性能と機能を備えており、程度は低いものの上位機種に搭載されている機能を有しているため上位機種への買い替えにあたってのイメージがしやすくなります。
Amazonを通せば返品,返金も行いやすいので、「合わなかったらどうしよう」と思うのであればまず買ってみて、合わなければ気軽に返品してしまえばよいかと。
本体重量が200g以上の機種です。航空法に則って飛行場所に十分注意し、安全第一で楽しみましょう。

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