アニメ調のアバターを用いてYoutubeに動画を投稿し、その広告収入で利益を出すというバーチャルYouTuber業態の草分け的な存在であり、アバターであるが故に騒動からは遠いものと言われることもありました。
が、そんなことないよね。という話です。
・バーチャルYouTuberの"性"質
バーチャルYouTuberはタレントの分身”アバター”を前面に出すため”生身の人間”と違い「スキャンダルが起こりえない」と言われた時もありました。これは現在においてもある方法を使用してる人には通用する概念です。
それは界隈で”バーチャル美少女受肉”と言われ、かつ男性により演じられる女性Vtuberの皆さん。
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代表的なのは「のらきゃっと」さんでしょうか |
旧来の女性タレントには(LGBT的な部分を無視すれば)当然のように恋人や結婚などの話題は仮想恋人と言える視聴者(お客様)にとってあってはならないことでした。
しかし、上記したバ美肉VTuber(凄い略称)の方々はそもそも開けっ広げに「男」です。
3D技術の研鑽が転じて、仕事の傍ら、遊び半分など理由は様々に活動を開始され、「女性より男性が分かってる女性キャラ」であることなどが長じファンを獲得しています。
(オカマさんもいらっしゃいます)
この性質においては中の人が恋人を作ろうが結婚しようが祝福はすれど大きな落胆はされません。
だって「男」ですし。
声や台詞回しやそもそもCGであることなど「作ってる人」と「作られたモノ」という関係性が視聴覚的に分かりやすいことも大きいです。
もちろん私事が忙しくなり更新頻度が下がる場合は寂しいものでしょうが。
(視聴者と同じ性別でも恋人を作るのは許せないだって?わからんでもない)
キズナアイ騒動当初のTwitterにおいては反射的な書き込みや反応欲しさからか「スキャンダルから遠いと言われたVTuberが」という言葉も多くみられました。
これに関しては”言ってた対象は別”ということです。
そう、キズナアイ含むVTuberはそうではなく、”スキャンダルがあり得る”方です。
・VTuberは多くが声優タレント
2018年以前においては趣味や技術が高じて3Dモデルを製作し、更に安価なVRゴーグルが市場に出回ることで多くのVTuberが芽を出しました。が、2018年以降においては市場に変化が発生。
新規参入者の多くは2Dイラストを元にした二次元での活動に軸を置くようになりました。
「YouTubeで収益を上げることに最適化するには3Dモデルは必須ではない」ということが分かったのでしょう。
2Dによる再大手の「株式会社いちから」さん |
動画共有サービスであるYouTubeにおいて、3Dモデルの活躍の場は少なくありません。
しかしモデルを作るにも、モデルが動く場、小物、それらを統合する物理エンジンなどを構築する必要があり、それらへの投資を回収できるかには採算性の確度が必要です。
そこで3Dアバターは動くイラストであるLive2Dへ、動く場所は市販のゲームや映像へと移行しコストを削減。更にVtuber同士の関係性や掛け合いを強化し再生数を稼ぐ手法が定番化しました。
結果、現在のVTuber動画はどこかで見たような画面とどこかで聞いたような音声の複合が大勢を占めることとなっています。
コメント拾いはテレビもやってますのでもはやネット独自ではないですね。
一方、割合が変化した中で「3Dアバター持ちは別格」という意識が浸透し、運営会社からの大きなご褒美としてやVTuber活動の中での記念碑的マイルストーンとしての意味を持ちはじめました。
ですがそのモデルも一般公開版を心得のある方が使うなどに限られ、初期のVR勢のような3D空間での触れ合いは中々見られなくなりました。
私自身、3Dアバターで何かするだけではコストパフォーマンスは低いと考えているので仕方のないことではあるでしょうが。
・過去の声優業界の不祥事
アイドルとしての売り込みも増え、テレビ番組やグラビア等に声優本人が出演する機会も増えています。それに伴い、「売れる」と踏んだ週刊誌による報道も昔と比べると増加しています。
(週刊文春による不倫報道など)
一般芸能と違い一発を当てて動く金額の少なさや大衆からの関心の薄さ、何より面白がる側のファン層にマスコミへ不快感を持つ者が少なくないことなどから大きな話題に上がることはあまりありません。
が、体質として清廉潔白かというとそもそもどうなんでしょう。
2006年に声優事務所である株式会社アーツビジョンの社長による売春(枕営業)疑惑が週刊誌に抜かれています。(不起訴で収束)
これはSNS等が台頭し始めた時期であり、ネットで集まって騒ぐというと2ch(現5ch)かmixiかという時代です。
記録映像がなんと、ニコニコ動画で残っています。ささやかながらファンによる抗議活動が行われたようです。
現在も騒動をまとめたwikiなどが残っており、その概要を伺うことができます。
内容はさておき、テレビの出演枠を奪い合うのは声優も一般タレントと同じと考えることができます。ましてや声のみの出演。
そもそも綺麗な業界という認識が誤っているようにも……
・個々の個人事業主としての知識
事務所に所属しているタレントは一般企業の社員と異なりそれぞれ個人事業主として独立している場合が多いです。現在の各VTuberの活動を見るに、契約上の強制力は強くないものの手取りの金額を少ない額に抑えることで両者共生しているようです。
これは悪くない方法だと思います。
例えば放送時間だけ見ても深夜帯が非常に多く、その健康について責任を持つことなど、社員待遇では少々荷が重いものがあります。
また、個人事業主は委託契約にて合意した事項には当然縛られます。が、その裁量(事業性)は法律的には個人事業主側にあります。
でなければ発注元が事業性を有していることとなり、労働者と相違ないということになり兼ねないからです。(大変大雑把ですが)
あまり赤くなっても困りますが、やり方次第ではキャラクターとしての版権を持ちながら運営会社を渡り歩くという方法も不可能ではないと考えます。
しかし、それを実行するにはかなりの売れっ子である必要があり、そのためには実績が……
あれ?一人一役と考えると普通の声優よりキャラクターを増やせない分難しくない?
・騒動が起きる原因は何か
私が思う原因として、労働条件の知識や認識の不足から事務所とタレントの磨り合わせに失敗しているのでは、と思うケースが昨今見られます。先日はパワハラ問題で声優が変更となる騒動も起きてしまいましたが、この騒動の当事者たちが個人事業主であるからこその優位性を理解しているかは知る由もありません。
36協定なども限定的にですが交渉可能です。もちろん双方に条件交渉の意思があって初めて成立するわけですが。
本来は労組案件ですが声優業界にそういったものは少ないようで、また、多くの声優・Vtuberは多かれ少なかれ「一発当てたい」という思考があると思います。
労働条件は「だったら首」と言われるまでの駆け引きであるため、夢の手伝いを会社側に託している業界において、タレント側は基本的に手綱を握れないのが難しいところ。
単なる暴露話となるとこういう場合もあるため真偽は中々表になることがありません。
騒動へと発展したキズナアイ分裂ですが、個人的には騒動が後を絶たないタレント業界において「アバターを共用する声優を複数立てる」というのはリスク回避としては良い策に思います。
しかしそれ、アイドルキャラでやるか?
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